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Thursday, November 12, 2020

ニュートリノを世界で初観測、ノーベル物理学賞の小柴昌俊さん死去 - 読売新聞

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 2002年のノーベル物理学賞受賞者で、東京大学特別栄誉教授の小柴昌俊(こしば・まさとし)氏が12日夜、死去した。94歳だった。

 小柴氏は1926年、愛知県豊橋市生まれ。東大理学部を卒業後、米シカゴ大研究員などを経て東大教授となった。岐阜県飛騨市にある鉱山の地下に自ら計画した観測装置「カミオカンデ」で87年、超新星爆発が起きた際に放出された素粒子「ニュートリノ」を世界で初めて観測。星の最期の解明に大きく貢献し、2002年、ノーベル物理学賞を受賞した。

 小柴氏は、カミオカンデでニュートリノを観測する傍ら、後継装置となる「スーパーカミオカンデ」の建設を計画。スーパーカミオカンデでは1998年、まな弟子の梶田隆章・東大宇宙線研究所長らが現代物理学の謎だったニュートリノの質量を確認した。梶田氏はこの発見で2015年、ノーベル物理学賞を受賞し、日本はニュートリノ研究の世界的な中心地になった。

 小柴氏の下からは優秀な研究者が多く育った。「チャンスをつかまえられるのは、ちゃんと準備していた人だけだ」と話し、弟子らを鼓舞していた。03年には、ノーベル賞の賞金などを投じて「平成基礎科学財団」(現在は解散)を設立。科学者や教育者の表彰などで基礎科学の振興に力を注いだ。晩年は基礎科学の面白さを子供たちに伝えようと、講演や実験教室などに積極的に参加していた。

 梶田氏は13日、「とてもショックを受けている。常に目指すべき存在で、カミオカンデでの研究を通して支えていただいた。小柴先生あっての研究人生だった」と惜しんだ。

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